青空トマト学園
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トマトのリコピンを吸収しやすい食べ方(前編) 〜調理方法と食べ合わせ〜

トマトを食べると医者がいらないという意味で

「トマトが赤くなると医者が青くなる」

ということわざが存在するほど栄養豊富で健康に良いトマト。

トマトの栄養素の1つである
リコピンの健康効果を効率よく摂れる方法についてご紹介します。

リコピンとは?

植物の色素成分で、赤色や黄色、オレンジ色の色味を持つカロテノイドの1つです。

リコピンといえば、、、トマト!!というくらいトマトの代名詞的な成分ですが、
スイカ、グアバ、ピンクグレープフルーツ、金時人参、パパイヤなどにも含まれています[1][2][3]

リコピンの健康効果はすごい!

リコピンには非常に高い抗酸化作用があり、
同じカロテノイドの仲間であるβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍とも言われています[1][2][3]

活性酸素は、免疫機能や感染防御、生理活性物質としてなど、体内での重要な役割をもつ物質です。

しかし、過剰に存在すると、細胞を傷つけ、老化、がん、シミ、しわ、動脈硬化、
脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の原因となるため[3][4][5]
活性酸素が増えすぎないようにすることが若さを保ち、健康を維持するために欠かせません。

活性酸素は、ストレスや喫煙、飲酒、紫外線など日常の様々な要因で増えています。

リコピンは優れた抗酸化作用で、この増えすぎた活性酸素から体を守ってくれます。

リコピンの種類で身体への吸収率が変わる?!

リコピンといえば赤でしょう!と思われるかも知れませんが、リコピンにも色々種類があります。

赤色で知られているリコピンは、トランスリコピンと呼ばれ、結晶化した状態でトマトに存在します。
これとは別に、非結晶性で黄色の色味を持つシスリコピンがあります[6]

トマトといえば赤い色がおなじみですが、黄色やオレンジ色のトマトも良く見かけますよね。
これらのトマトの中には、自然変異でリコピンの代わりにシスリコピンが蓄積したものもあります
(リコピンの代わりにβカロテンが蓄積しているものもあります)[7]



トマトやトマトを使った食品の多くは、トランスリコピンがリコピン全体の80〜95%を占めています[8]
ところが、実際にヒトの体内に取り込まれているリコピンは、50%以上がシスリコピンになります[9]
また、リコピンが抗酸化作用を発揮するためには、体内に取り込まれなければなりませんが、

トランスリコピンよりもシスリコピンの多いトマトを食べた場合の方が体内により効率良く取り込まれます。

臨床試験の結果では、同じ量のリコピンをシスリコピンの割合の多いトマトと、
トランスリコピンの割合の多いトマトを食べた場合で、
体内へのリコピンの吸収率が平均9.6倍も違っていました[9]

驚きですね!




続きは、後編で!

(参考資料)
[1]わかさの秘密  「リコピン
[2]一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC 「リコピンについて
[3]カゴメトマト大学 医学部 「トマトに含まれるリコピンとは?」「活性酸素の話
[4]e-ヘルスネット(厚生労働省)   「活性酸素と酸化ストレス」 
[5]健康長寿ネット 「抗酸化による老化防止の効果」   
[6]保健指導リソースガイド「トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる
[7]タキイ種苗 「タキイファイトリッチシリーズ」 
[8]Hondaら,  Eur. J. Lipid Sci. Technol. 119巻  1600389  (2017)
[9]Cooperstone ら,  Mol. Nutr. Food Res. 59巻  658-669頁(2015)

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